【眠っていた「名著解説」×飲食店「マーケティング」Blog】

「名著」を振り返りエッセンス凝縮し、飲食店に活かせるように解説!

カッコイイ言葉は薄っぺらだからNG!?『売れるキャッチコピーの法則』

スプーン1杯で驚きの白さに!

 

瞬間、息リフレッシュ!

 

紫外線、長時間プロテクト!

 

etc....................

 

様々キャッチコピーが踊る現代。

 

CM

店頭

電車の中吊り

そして、スマホ

キャッチコピーを見たり聞いたりしない日は無い。

 

この短い「フレーズ」に魂を込める人々がいる。

キャッチコピーライターだ。

花王というTOP企業で

数々の商品コピーを考えてきた

筆者が考える

「良いキャッチコピー」とは?

それがこの本のエッセンスである。

f:id:yoshiyoshiyoshix:20200601134558j:plain

 

【目次】

 

 

①カッコよさは求めるな!!良いキャッチコピーの条件

 

良いキャッチコピーの条件は

4つだけに絞られる

順番に説明していこう。

 

 

①お客様の価値を伝えている。

 

「この商品を買ったら私に何してくれるの?」

ということがユーザーに伝わる必要がある。

言い換えれば「ユーザー視点」である必要がある。

企業視点での説明では駄目だ。

 

考えてみれば当たり前の話だが、

出来ていない企業が多いと筆者は言う。

 

 

いきなりだが!

ここで「問題」!

 

以下2つのキャッチコピーは「企業orユーザー」?

どちらの視点だと思うだろうか?

 

ハイビジョンTV・・・『本物の色が、目を覚ます』。

胃薬・・・『今ある、胃痛と胸焼けを防ぐ』。

 

正解は、、、

前者が企業視点。

後者がユーザー視点。

 

まず前者だが、

そもそも「本物の色って何?」

THE・意味分からないw

f:id:yoshiyoshiyoshix:20200601135957j:plain

 

企業、あるいは研究員なら

TV画面が発する

「普通の色」と「本物の色」の違いが

分かるかも知れない。

しかし、我々のような一般人には分からない。

企業側のみがわかる製品特性を謳っている。

つまり、ただの「製品説明」になってしまっているのだ。

 

改善するなら

「その「本物の色」っていうTVを俺たちが観たら、

他のTVとどう違うの?」

ということを謳う必要がある。

これがユーザー視点だ。

 

一方、後者はユーザー視点といえる。

「その胃薬を飲んだら、俺たちはどうなるの?」

ということがすぐに分かる。

ポイントは「今ある」という言葉。

 

速攻効く薬なんだ!

ちょうど今、胃痛があるから買ってスグ飲みたいんだ!

そんなユーザーのニーズに応えている好例だ。

 

 

②一瞬で理解できる

 

まず、キャッチコピーは「短く」が基本だ。

長いのは「文章」になってしまう。

広告が溢れかえる

現代社会では「文章」は読む気を無くす

読まれない。

だから短い必要がある。

 

もう一つは「平易な言葉」で作ること。

小学生レベルの言葉で紡ぐキャッチコピーが良い。

かっこいい言葉や粋な言葉は不要。

むしろマイナスだと筆者は主張する

理由は、

「かっこいい言葉を使わざるを得ない商品は、

そもそもユーザー価値が弱い」からだと言う。

 

つまり、①で述べたような

「価値」が無い、

あるいは

「価値」が見つけられないから、

「最もらしいイケてる言葉」で修飾しているに過ぎないのだ。

そんなキャッチコピーが良いわけがない。

 

 

③競合品と差別化できていて優位である

 

ほとんどの商品・サービスが

「だいたいOK」で「70点以上」の日本。

そんな状況で差別化できていない商品に勝ち目はない。

そこで必要なのは、

「キャッチコピー」であり「ストーリー」だ。

どちらも「一言で表せる」という意味では共通している。

 

この売れるものに共通している

「ストーリー」については、

別記事を読んでみて欲しい。

https://yoshiyoshiyoshix.hatenablog.com/entry/2020/05/31/145104

 

 

先ほど②で「言葉を平易」が良いと述べたが、

「内容は個性的」である必要があるのだ。

その個性が他社と明らか違い際立っていて、

かつ、ユーザーにとって優位である必要がある。

 

例えば、

カメラのキャッチコピー

『かけがいのない瞬間をとらえるために』

 

このキャッチコピーに差別化を感じられるだろうか?

答えはNOだ!

理由は「カメラって、全部そうでしょ!」

とツッコミが入るからである。

一眼レフであろうが

スマホカメラであろうが、

最近は見なくなったインスタントカメラであろうが、

カメラは「かけがいのない瞬間をとらえる」ことが出来る。

というか、カメラとはそういうものだ。

つまり「カメラ」という大きな枠組み。

言い換えれば、

カテゴリーのキャッチコピーになってしまっていて、

商品そのものの特徴を謳えていない。

 

個人的に

ここが重要POINTではないかと思う。

自分達でキャッチコピーを考えたときに、

「それって、この業界の商品、全部の事言ってない?」

「それって、当たり前じゃない?」

と反芻する必要がある!

 

 

④オーバープロミスを避ける

 

直訳すると「行き過ぎた約束」

つまり、大げさすぎる表現は控えろということ。

 

当たり前だが「嘘」を言ってはいけない

法律違反だ!

しかし、誇張表現はグレーゾーンである現実。。

 

例えば

女性の化粧落としのキャッチコピー

『ハードなメイクも一度で落とす』

 

どこがオーバーかお分かりになるだろうか?

答えは「一度で」という部分。

 

例えば、

ある女性が

このセンセーショナルなキャッチコピーを

店頭で見て、商品を購入。

その日の夜、実際に使用してみた。

確かに、他の化粧落としよりは良さそうだが、、、

「一回では落ちないじゃん!!」

f:id:yoshiyoshiyoshix:20200601140220j:plain

 

 

だからといって

「一回で落ちないじゃないか!!コラア!!嘘言ってんじゃねえ」

と会社にクレーム電話をする人はほぼいないだろう。

しかし

女性はもう一度その商品をリピ買いするだろうか?

しない可能性が高い。

「被害者意識」を感じているからである。

小さいことだが「裏切られた」と感じるのである。

 

もちろん、広告慣れした現代人にとって

全ての広告を真に受けている人は少ないだろう。

「大げさなキャッチコピーだな~」で終わる話だ。

 

しかし、

ユーザーと企業(商品)の信頼関係は確実に悪くなる。

いわゆる「口先だけの奴」は信用できないのと同じである。

口先だけの企業の商品は買いたくない。

その信頼関係は企業の「長期的な売上」に関係する。

 

従って、

オーバープロミスは

「短期的」な売上向上には繋がるが

「長期的」にはマイナスの要素が大きいのだ。

やってはいけない。

 

②代理店任せはNG!?顧客より自社利益が一番!!

 

最後に筆者は

キャッチコピーは出来るだけ自社で考えることを勧めている。

決して広告代理店に任すな!と。

理由は

広告代理店は自社の評判をあげようとして、

しばしば

「カッコイイ、イケテル、斬新な」

キャッチコピーをつくろうとするから。

 

それがいかに愚かなことか。

この文章を読んでくれた方々にはお分かりいただけると思う。