カッコイイ言葉は薄っぺらだからNG!?『売れるキャッチコピーの法則』
スプーン1杯で驚きの白さに!
瞬間、息リフレッシュ!
紫外線、長時間プロテクト!
etc....................
様々キャッチコピーが踊る現代。
CM
店頭
電車の中吊り
そして、スマホ
キャッチコピーを見たり聞いたりしない日は無い。
この短い「フレーズ」に魂を込める人々がいる。
キャッチコピーライターだ。
花王というTOP企業で
数々の商品コピーを考えてきた
筆者が考える
「良いキャッチコピー」とは?
それがこの本のエッセンスである。
【目次】
①カッコよさは求めるな!!良いキャッチコピーの条件
良いキャッチコピーの条件は
4つだけに絞られる
順番に説明していこう。
①お客様の価値を伝えている。
「この商品を買ったら私に何してくれるの?」
ということがユーザーに伝わる必要がある。
言い換えれば「ユーザー視点」である必要がある。
企業視点での説明では駄目だ。
考えてみれば当たり前の話だが、
出来ていない企業が多いと筆者は言う。
いきなりだが!
ここで「問題」!
以下2つのキャッチコピーは「企業orユーザー」?
どちらの視点だと思うだろうか?
ハイビジョンTV・・・『本物の色が、目を覚ます』。
胃薬・・・『今ある、胃痛と胸焼けを防ぐ』。
正解は、、、
前者が企業視点。
後者がユーザー視点。
まず前者だが、
そもそも「本物の色って何?」
THE・意味分からないw
企業、あるいは研究員なら
TV画面が発する
「普通の色」と「本物の色」の違いが
分かるかも知れない。
しかし、我々のような一般人には分からない。
企業側のみがわかる製品特性を謳っている。
つまり、ただの「製品説明」になってしまっているのだ。
改善するなら
「その「本物の色」っていうTVを俺たちが観たら、
他のTVとどう違うの?」
ということを謳う必要がある。
これがユーザー視点だ。
一方、後者はユーザー視点といえる。
「その胃薬を飲んだら、俺たちはどうなるの?」
ということがすぐに分かる。
ポイントは「今ある」という言葉。
速攻効く薬なんだ!
ちょうど今、胃痛があるから買ってスグ飲みたいんだ!
そんなユーザーのニーズに応えている好例だ。
②一瞬で理解できる
まず、キャッチコピーは「短く」が基本だ。
長いのは「文章」になってしまう。
広告が溢れかえる
現代社会では「文章」は読む気を無くす。
読まれない。
だから短い必要がある。
もう一つは「平易な言葉」で作ること。
小学生レベルの言葉で紡ぐキャッチコピーが良い。
かっこいい言葉や粋な言葉は不要。
むしろマイナスだと筆者は主張する
理由は、
「かっこいい言葉を使わざるを得ない商品は、
そもそもユーザー価値が弱い」からだと言う。
つまり、①で述べたような
「価値」が無い、
あるいは
「価値」が見つけられないから、
「最もらしいイケてる言葉」で修飾しているに過ぎないのだ。
そんなキャッチコピーが良いわけがない。
③競合品と差別化できていて優位である
ほとんどの商品・サービスが
「だいたいOK」で「70点以上」の日本。
そんな状況で差別化できていない商品に勝ち目はない。
そこで必要なのは、
「キャッチコピー」であり「ストーリー」だ。
どちらも「一言で表せる」という意味では共通している。
この売れるものに共通している
「ストーリー」については、
別記事を読んでみて欲しい。
https://yoshiyoshiyoshix.hatenablog.com/entry/2020/05/31/145104
先ほど②で「言葉を平易」が良いと述べたが、
「内容は個性的」である必要があるのだ。
その個性が他社と明らか違い際立っていて、
かつ、ユーザーにとって優位である必要がある。
例えば、
カメラのキャッチコピー
『かけがいのない瞬間をとらえるために』
このキャッチコピーに差別化を感じられるだろうか?
答えはNOだ!
理由は「カメラって、全部そうでしょ!」
とツッコミが入るからである。
一眼レフであろうが
スマホカメラであろうが、
最近は見なくなったインスタントカメラであろうが、
カメラは「かけがいのない瞬間をとらえる」ことが出来る。
というか、カメラとはそういうものだ。
つまり「カメラ」という大きな枠組み。
言い換えれば、
カテゴリーのキャッチコピーになってしまっていて、
商品そのものの特徴を謳えていない。
個人的に
ここが重要POINTではないかと思う。
自分達でキャッチコピーを考えたときに、
「それって、この業界の商品、全部の事言ってない?」
「それって、当たり前じゃない?」
と反芻する必要がある!
④オーバープロミスを避ける
直訳すると「行き過ぎた約束」
つまり、大げさすぎる表現は控えろということ。
当たり前だが「嘘」を言ってはいけない。
法律違反だ!
しかし、誇張表現はグレーゾーンである現実。。
例えば
女性の化粧落としのキャッチコピー
『ハードなメイクも一度で落とす』
どこがオーバーかお分かりになるだろうか?
答えは「一度で」という部分。
例えば、
ある女性が
このセンセーショナルなキャッチコピーを
店頭で見て、商品を購入。
その日の夜、実際に使用してみた。
確かに、他の化粧落としよりは良さそうだが、、、
「一回では落ちないじゃん!!」
だからといって
「一回で落ちないじゃないか!!コラア!!嘘言ってんじゃねえ」
と会社にクレーム電話をする人はほぼいないだろう。
しかし
女性はもう一度その商品をリピ買いするだろうか?
しない可能性が高い。
「被害者意識」を感じているからである。
小さいことだが「裏切られた」と感じるのである。
もちろん、広告慣れした現代人にとって
全ての広告を真に受けている人は少ないだろう。
「大げさなキャッチコピーだな~」で終わる話だ。
しかし、
ユーザーと企業(商品)の信頼関係は確実に悪くなる。
いわゆる「口先だけの奴」は信用できないのと同じである。
口先だけの企業の商品は買いたくない。
その信頼関係は企業の「長期的な売上」に関係する。
従って、
オーバープロミスは
「短期的」な売上向上には繋がるが
「長期的」にはマイナスの要素が大きいのだ。
やってはいけない。
②代理店任せはNG!?顧客より自社利益が一番!!
最後に筆者は
キャッチコピーは出来るだけ自社で考えることを勧めている。
決して広告代理店に任すな!と。
理由は
広告代理店は自社の評判をあげようとして、
しばしば
「カッコイイ、イケテル、斬新な」
キャッチコピーをつくろうとするから。
それがいかに愚かなことか。
この文章を読んでくれた方々にはお分かりいただけると思う。