【眠っていた「名著解説」×飲食店「マーケティング」Blog】

「名著」を振り返りエッセンス凝縮し、飲食店に活かせるように解説!

マクドナルドで「ヘルシーさ」を求める女性は嘘つき!? 『欲しいの本質』part①

 

f:id:yoshiyoshiyoshix:20200603131534j:plain

 


需要不足の「日本」。

コロナ禍で需要は100兆ほど吹っ飛び、

早急な財政出動が必要とされる。

そんなニュースを良く耳にする昨今。

 

もちろん

コロナの前の「消費増税」により消費は落ち込んでいるが

20年以上続く「デフレ」とは「需要不足」あるいは「供給力過多」だ。

f:id:yoshiyoshiyoshix:20200531145050j:plain

 

 

①どうしても欲しいモノはないです!!が現代人

経済については別記事で述べるが、

何が言いたいかというと、

日常生活において我々が

「どうしてもコレが欲しい」という決定的な「コレ」がない。

 

お菓子であろうが、

シャンプーであろうが、

インテリアであろうが、

コンビニ弁当であろうが、飲食店であろうが、、、

大体いい!

70点以上は確実。

大外れはない。

 

それは素晴らしいことだが

裏を返せば

消費者にとっては「どれでもいい」ってこと。

同じようなものばかりだからだ。

一方、企業(供給者)からすれば「選ばれる理由」が無い時代。

 

だからこそ、今の時代に必要なのは「インサイトだと筆者はいう。

 

インサイト」とは、隠れた欲求のこと。

つまり、意識に上っていない。

「これ欲しいんだ~」はインサイトではない。

その商品を見て初めて「こんなの欲しかったんだ~」がインサイトである。

 

 

IPHONEをつくったスティーブジョブスはこういっている

「人は形にするまで何が欲しいかわからない」!

 

※蛇足だが

ティーブジョブス家における「衝撃的な事実」は

こちらの記事を読んでみて欲しい

https://yoshiyoshiyoshix.hatenablog.com/entry/2020/05/28/120224

 

 

この消費者の特性をうまくつかう。

つまり、インサイトを発見し

それを叶えるような商品つくりが出来れば

勝てる可能性は高くなるのだ。

 

②女性の本音は見抜けない!マクドナルドに求めてたものとは!?

 

しかしだ。

インサイトを発見するのは容易ではない。

理由は「建前」と「本音」は違うからだ。

 

こんな話がある。

マクドナルドが事業拡大を目的として

女性たちに大規模なアンケートを取った。

マクドナルドに求めるものは?」

多くの答えが「ヘルシーさ」だったのだ。

f:id:yoshiyoshiyoshix:20200603131758j:plain

 

あのマクドナルドがやる調査・施策だ。

精度は高いに決まっていた。

 

この調査結果をもとに

サラダなど、女性たちに希望に沿うメニューを開発・販売。

結果、売上が急増!!

 

・・・・・・・・

のはずだった。

しかし、現実は惨敗だった!!

それらの商品は撤退を余儀なくされた。

 

理由はなんだろうか?

それが「建前」と「本音」の違いだ。

 

 

まず、「建前」についてだ。

気を付けなければならないのは

「建前」には2つあること。

「体裁」と「意識された欲しい」だ。

 

「体裁」とは、

三者にどう思われてるか?気になるということ。

これはアンケートの宿命だが

自分の思いと別の回答をすることがしばしばある。

いわゆる「かっこつけて」回答する。

女性である自分が飲食店に求めるものは?と聞かれたら

「ヘルシー」とか「健康」とか答えるのがベターだ。

世間体がいい。

だから、そう思っていなくても、そう答えてしまう。

まさしく「体裁」だ。

 

一方、

「意識された欲しい」とは正直に答えているといえる。

しかしだ。

ここが重要なのだが、

本人自体が「自分の本音」を分かっていないことがある

心理的に「抑圧」していたり

「気づいていなかった」りする。

この「抑圧」がやっかいだ。

これらが「建前」だ。

建前に沿って

マクドナルドは商品開発をしたから失敗した。

 

しかし、話はここで終わらない。。。。。

マクドナルドは他の商品で快進撃をあげる。

「クヲーターパウンダー」などの

肉肉しいボリューム感◎の商品で。

勝因は「インサイト」、つまり「本音」を見極めたから。

f:id:yoshiyoshiyoshix:20200603131817j:plain

 

ここでの「本音」とはなんだろうか?

それは「ジューシーな肉にかぶりつきたい」という欲求

マクドナルドを一度でも食べたことがある人ならわかるだろう。

あの(体に悪そうなww)濃い味と肉肉しさを。

快感を感じる。

かなり中毒性があることは間違いない。

 

※中毒性ビジネスのつくり方についてはこちらを読んで欲しい。

https://yoshiyoshiyoshix.hatenablog.com/entry/2020/05/28/122629

 

 

しかし

その快感感情は「抑圧」される。

理由は「健康に良くない」とわかっているからだ。

 

人は自分にとって好ましくない感情を「抑圧」する。

心理学の鉄則だ。

f:id:yoshiyoshiyoshix:20200603131953p:plain

 

マクドナルドのアンケートに答えた女性の例でいえば、

「健康でヘルシーで食事に気をつかっている私」が理想の状態。

「肉にかぶりつきたい」はその理想に反する。

自分にとって好ましくない。

だから「抑圧」する。

無意識に押し込むのだ。

 

恐ろしいことに

「抑圧した感情」にも「抑圧したこと」にも自分自身で気づけない。

しかし強制的に気づかされるときがある。

それがジョブスのいう「形にされた時」だ。

「抑圧」していた感情が意識まで登ってくる。

「本音」を意識する瞬間だ。

 

当たり前だが

「建前」より「本音」の方が強い

人は「本音」に従って動く。

無論、その「本音」が犯罪的なものなら理性で止める。

しかし、とりわけ

日常の「消費行動」においては、ほぼ100%「本音」が勝つのだ。

まさしく「インサイト」をついた瞬間だ!!

 

次記事では、「インサイト」の発見の仕方を説明していく。

 part②に続く。

https://yoshiyoshiyoshix.hatenablog.com/entry/2020/06/04/010926