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10万円給付金はどこから調達したの??『知識0からわかるMMT入門』part②

「政府がくれる一人10万円の給付金って、どこから調達したの?」

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あなたは

この質問に答えられるだろうか??

 

断っておくが「税金」ではない。

何故なら「税金」は政府のお小遣いではないからだ!

政府は何も無い状態から「お金」を生み出し、

我々国民に10万円を配布している。

これが「貨幣発行の真実」だ。

 

この記事では

政府の「貨幣発行」のメカニズムが理解できる。

 

「無」から「有」を生じさせる「お金の信用創造」については

Part①の記事を読んで欲しい。

https://yoshiyoshiyoshix.hatenablog.com/entry/2020/06/09/115456

 

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 ①紙幣ってどこで手に入れた!?「日銀当座預金」とは?

 

part①の記事で

銀行における「信用創造」の話をした。

 

我々国民の資産である銀行預金は「銀行の負債」だ。

では、銀行が預金を貸すとき、

何を担保にしているだろうか?

それは「借り手の返済能力」である。

つまり、

貸したお金を

この人はキチンと返済してくれるかどうかだ。

だから勤め先や年収によって借入額の限度がある。

この審査を「与信」という。

与信の結果、「この人なら貸してOK」となると

借り手は「借用証書」を提出する。

 

この借用証書が銀行にとって担保(資産)にあたるのだ。

もう一つ担保がある。

日銀当座預金」だ。

銀行が日本銀行に対して持っている口座の預金のことだ。

我々、民間人は持っていない。

というか持てない。

日銀に口座を持てるのは「政府」と「民間銀行」だけだ。

 

もちろん

銀行にとって担保(資産)である日銀当座預金

日本銀行にとって債務(負債)にあたる。

 

そして「日銀当座預金=現金紙幣」なのである。

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みなさんの財布に入っている紙幣。

つまり「日銀の借用証書」。

一体どうやって手に入れたのだろうか?

 

 

親からお小遣いで貰った。

おつりで貰った。

ATMで引き出した。

etc....................

 

 

では、その人達はどうやって手に入れた??

答えは「日銀当座預金」である。

 

銀行はデジタルデータである

「日銀当座預金」をおろす形で

現金紙幣を入手しているのだ。

日銀は民間銀行から

当座預金を〇〇億円おろしたいんだけど、、」

と言われると同額の紙幣を出す義務がある。

だから「日銀当座預金=現金紙幣」といえる。

 

これはちょうど、

我々と民間銀行の関係に似ている。

あなたがATMで現金を引き出すという行為。

これを構造的に(分かりにくくw)言うと

 

【「銀行預金」という銀行にとっての

債務データを消す代わりに、

銀行が資産として持っていて

予め用意しておいた現金紙幣を、

銀行預金の債権者であるあなたに渡す。】

 

ということである。

 

これを現象だけでいうと、

【あなたがATMで1万円をおろすと

通帳の金額は1万円分数字が減り、

その代わりに現金紙幣1万円が手に入る】

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では、

この「日銀当座預金」だが

そもそもは何の為にあるのか?

大きく2つある

 

①「取り付け騒ぎ」の防止

ここの銀行危なーい!

といって根拠もナシに

その銀行に口座を持っている多くの人が

お金をおろしに来まくる現象である。

それに応えるためにある。

いざという時に

現金紙幣をいっぱい用意しておくということだ。

 

②銀行間決済

みずほ銀行の口座から

UFJ銀行に支払いを済ませるとする。

いわゆる「振込」だ。

繰り返すが、銀行預金は銀行にとって「負債」である。

この場合、

UFJ銀行は一方的に「負債」を増やされたことになる。

それでは計算が合わない。

だから、UFJ銀行みずほ銀行に対して

「資産」である日銀当座預金で決済してもらうのだ。

 

 

 

話を本題に戻そう!

では、日本銀行の担保(資産)とは何だろうか?

答えは「日本国債」である。

現在、日銀は日本国債の50%(約500兆円分)を保有している。

むろん「日本国債」は日本政府の債務である。

 

今までの話をまとめると

我々民間人の資産のほとんどは「銀行預金」

銀行の担保は「日銀当座預金

日銀の担保は「日本国債

 

では、最後に。

究極ともいえる

日本国債の担保(資産)は何だろうか?

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答えは

供給能力」である。

我々が「モノやサービスを生産し提供できる能力」

これこそが究極の貨幣の担保なのだ!

 

そしてもう一つ重要なことがある。

金融資産の担保が要らないことだ。

日銀当座預金国債は「金融資産」である。

いわゆる「お金」だ。

しかし、国債発行に金融資産の担保は必要ない

 

※厳密にいうと、貸付金などが政府BSには計上されている。

 

 

つまり、

日本のような供給能力がある国において、

国債発行は「国会議員の意思決定」で出来るのだ。

その国会議員を選んでいるのは国民。

つまり、構造上

国民の意志・意見が反映される

これを「財政民主主義」という。

憲法にも保障されている権利だ。

 

つい先日

コロナで2次補正案が通った。

まさしく

都道府県で民間人が議員に圧力をかけたからだ!

 

 国債発行のカラクリ!?どこからお金借りてるの!?

 

結論から書く。

「政府が国債を発行すると、民間の預金は増える」

「政府は我々の銀行預金からお金は借りていない!

政府が借りているのは日銀当座預金である!」

 

せめてこの事実だけは覚えていて欲しい!

マスコミと池上彰に騙されてはいけない。

 

「政府は民間の預金を借りている」という真っ赤な嘘

今回の10万円給付で露呈された。

あなたの銀行預金は減っただろうか?

増えただろうか?

 

もし、

「政府は民間の預金を借りている」なら

減らなければおかしい。

あるいは、

政府に10万円を勝手に借りられて

それを給付されて

「+-0」でないとおかしい。

 

しかし、

現実は「増えた」はずだ。

理由は簡単。

政府は民間の預金を借りてないから。

 

こんなことは

国債発行のプロセスを理解していれば当然のこと。

地上波TVでは絶対に放送されないがw

単なる事実だ。

 

今回の10万円給付を例にして

プロセスを説明する。

 

①政府が国債を発行し、

引き換えに民間銀行の日銀当座預金を借りてくる。

つまり、民間銀行が国債を買うということ。

 

②政府は借りた日銀当座預金を担保にして

指定口座の残高を10万円増やすように、

民間銀行に指示する。

つまり、あなたの口座番号を知った政府は

「〇〇銀行さん、

△△さんの銀行預金を10万円増やして」と指示する。

 

くどいようだが

この時

民間銀行は10万円をどこからも調達していない。

Part①で述べた

「万年筆マネー」という信用創造だ。

https://yoshiyoshiyoshix.hatenablog.com/entry/2020/06/09/115456

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仮に、

あなたの口座残高80万円なら、

単純に10万円を足して

「残高90万」にする。

それだけの作業。

これで「10万円給付」は完了!

 

 

③銀行は日銀に決済を依頼する。

 

先ほど述べた銀行間決済と同じこと。

政府から指示を受けた銀行は一方的に

銀行預金という「負債」を増やしたことになる。

だから「日銀当座預金」で決済してもらう。

言い換えれば、

①で政府に貸した日銀当座預金が民間銀行に戻る。

 

 

以上だ。

 

 

ここで重要なことが2つある。

A:政府が国債を発行すると民間の預金は増える

B:民間銀行は、政府に貸した日銀当座預金が同額戻ってくる

 

Bのため、民間銀行の日銀当座預金がなくなることはない。

政府に一旦貸して、いずれ戻ってくるからだ。

では、この戻ってきた日銀当座預金

政府は再度借りれるだろうか?

答えはYESだ。

お金に色はついてない。

ただの数字データである。

だから

「政府が借りるお金がない!という事態はあり得ない

 

つまり、日銀当座預金

政府と銀行間でクルクルまわっているだけである。

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ここで忘れてはない事がある。

銀行が買った「国債」だ。

まぎれもなく「政府の負債」。

これが残っている。

 

これがいわゆる「国の借用」の正体である。

厳密にいうと「国」ではなく「政府の借金」だ。

これが約1000兆円ある。

一体、何が問題なんだろうかw

 

当然、政府は支出するために国債発行するのだ。

国債が1000兆円あるということは、

今までに政府が

1000兆円借りてきて

1000兆円支出したということ。

支出先は民間。

つまり民間に1000兆円いったということだ。

 

政府が支出して、

徴税しなかった分が合計で1000兆円分あるよ」!

それだけの話である。

誰かの資産は、誰かの負債。

誰かの負債は、誰かの資産。

政府の負債は、民間の資産

 

 

だから「財政赤字=民間黒字」。

政府が「借金」をしてくれているから

お金が存在する。

 

「政府は貨幣の供給者」なのである。

 

お金の本質が「借金」であるという

part①で述べたことが

お分かりいただけたであろうか?

 

 国債の支払いはどうするの!?最強の子分登場!!

 

最後に。

銀行が持っている国債の利払いはどうするの?

もちろん

政府は銀行に対して「利払い」をする義務がある。

そのお金はどう工面するのか?

答えは「借り換え」。

つまり、

新しい国債を発行して、そのお金で支払う。

 

借金漬けじゃないか!

そう感じるかも知れない。

しかし

政府は人ではない。

一生死なない。

政府は地球滅亡の日まで「借り換え」ができるのだ。

 

 

 

でも、国債の利払いばかりじゃヤバイじゃん~

 

そうツッコむ人も多くいる。

しかし問題ない。

政府には最強の子分がいるからだ。

それが何度も登場している「日本銀行」だ。

 

 

日本銀行」は実は株式会社なのである。

そして、株式の半数以上を政府が保有している。

つまり「日銀は政府の子会社」なのだ。

これを「統合政府」という。

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その日銀が

民間銀行から国債を買い上げる。

その代金として

日銀当座預金を支払う(キーストロークマネー)。

 

こうするとどうなるか。

国債」の債権者が日銀になる。

当然、債務者は政府のまま。

しかし

親会社と子会社の金の貸し借りは相殺」される。

左手から右手に金を貸しているようなものだからだ。

 

つまり、

政府は日銀保有分の国債に対して

利払いする必要がない。

言い換えれば

日銀が国債を買い取れば、政府の債務は消える」!

 

だから、

政府は理論上いくらでもお金をつくりだせる

貨幣発行に制限はない。

制限があるとすれば、それは「インフレ率」。

インフレとは、需要に対して供給が追い付いていないことだ。

 

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言い換えれば

インフレ率が適正な範囲である以上は、

政府はいくらでも支出できる

貨幣の供給者なのだから。

 

 

政府って最強じゃねーか!

てか、そんなうまい話しがあるのかよ!

 

そう怒る人もいるかも知れない。

でも事実です。

 

現にコロナ騒動の今、

世界中の自国通貨建ての国々で

このことが行われているではないか。

 

日本も今

急激に「政府の負債」を拡大している。

つまり、赤字国債を発行して民間にお金を供給している。

これからもしばらく続くだろう。

でないと、民間企業が持たないからだ。

 

で。。。。。。

日本はインフレになったか?

政府がいわゆる「国の借金」とやらを急激に増やして、財政破綻したか?

 

答えはNOだ。

するわけがない。

本書で書かれた「事実」を知れば分かるはずだ。

 

 

最後に。

ここまで読んでいただいた方は

こんな疑問が浮かぶかも知れない。

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「じゃあ税金って何の意味があるの?」

これに対するMMTの回答は秀逸だ。

それはpart③で述べる。

https://yoshiyoshiyoshix.hatenablog.com/entry/2020/06/13/165925