【眠っていた「名著解説」×飲食店「マーケティング」Blog】

「名著」を振り返りエッセンス凝縮し、飲食店に活かせるように解説!

『世界にひとつだけの花』が名曲の理由!?『バカの壁』

日本のベストセラー著書ランキングに必ず出てくる本。

 

バカの壁

作者はおなじみ、養老孟司

 

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この本を初めて読んだのは

今から10数年ほど前。

確か、大学生くらいだった。

その時はピンとこなかった。

私がバカだったからだろうかw

 

本棚の奥の方で見つけて再読。

なるほど!と感銘を受けた!

社会に揉まれ

少しは賢くなったのだろうかw

 

 

【目次】

 

 

 

①筋肉を動かすことのみ!?当然だが悲しい現実

 

養老先生は脳科学者であり

解剖学者である。

いわば人体のエキスパートだ。

そんな彼がいう。

脳が命令できることは筋肉を動かすこと」だけだと。

 

ん?

5秒ほど悩む。

 

しかし、現実はそうだ。

 

心臓を動かすのも筋肉。

息をするのも筋肉。

話すことも筋肉。

歩くことも筋肉。

笑うことも泣くことも筋肉。

 

所詮、すべては筋肉の運動に過ぎない。

意識的なことも無意識のことも。

確かにそうだと認めざるを得ない。

 

 

②意識とは!?そんなに偉いのか?

 

しかしだ!

思考や意識はどうなんだ!!

とツッコみたくなる。

 

それに対して、養老先生はこう答える。

意識って何かわからない!と。

 

「何故、意識があるんですか?」

「意識とはなんですか?」

 

これらの質問に答えることは現在できない。

 

しかし、ここで養老先生は警鐘を鳴らす。

意識ってそんなに偉いのか?と。

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我々は意識(脳)が体をコントロールしていると

ついつい考えがちだ。

でも、よく考えて欲しい。

意識はどこから来たのか?

 

意識は

朝、勝手に表にでてきて(朝、起きて)

夜、勝手に裏に引っ込んでいく(夜、眠る)。

 

意識は自分自身で出し入れができない。

そんな程度の「モノ」が、

表にでてきているとき(日中)だけ

「自分が一番偉いんだ!」と出しゃばる。

 

イタい奴だ。

 

そして、現在は

そのイタイ奴を中心にした社会になっている。

分かりやすくいうと「ああすれば、こうなる」社会だ。

 

都会にいけばいくほどそう。

駅にいけば、時間通りに電車が来る。

スマホを見れば、液晶がつく。

メールをうてば、相手に届く。

リモコンを押せば、クーラーがつく。

etc・・・・・

 

現代社会の本質は「ああすれば、こうなる」になる。

それ以外は認めない。

クレームになる。

不都合だ、不便だと切り捨てられる。

全てに合理的な意味を含む必要がある

 

これらは全て「意識」がつくった社会だ。

作者は「脳化社会」と呼ぶ。

 

しかし、そんな社会の中にも

ひとつだけ「ああすれば、こうならない」存在がいる。

それが「」だ。

 

人は本来、自然だ。

自然は「ああすれば、こうならない」。

 

何故、ここに木があるのか?

何故、ここに虫がいるのか?

 

脳化した人間が考える。

しかし、本来、自然に理由などない。

 

「ただ、そこにある」のだ。

だから仕方がない。

 

 

しかし、脳化が進みすぎた人は

「意味がないこと」を認めない

そして、自分はすべての意味を理解できる、と

妄信している。

 

だから、

道路を草を「雑草」と名付けて捨てる。

 

結婚し、子供を産む数が減っているのも

この思想が一因だと作者は語る。

 

つまり、子供とは自然だ。

 

育てたことがある人ならわかるだろうが

子供は「ああすれば、こうならない」。

絶対に。

経験者は語るだw

 

抱っこしたって、泣き止まない。

早く寝かしたって、急に発熱する。

一生懸命育てたって、立派な人間になるとは限らない。

犯罪者になる可能性だって0ではない。

 

そんな不確実なモノは

脳化した人間にとって「不要」なのだ!

 

 

③個性って何?最も個性的な人が集まる場所とは

 

平成の時代。

「個性を伸ばす教育」をしてきた。

私もそれを受けた一人だ。

 

そんな教育おかしい!

間違ってる!

作者はツッコミを入れている。

 

理由は、個性とは勝手に出るものだから。

どんなに人と同じにしようとしても

必ず違いは出る。

それが個性である。

そして、それは生まれつき全員が持っている。

「身体」だ。

 

身体は、

当然だが全員違う。

顔が違う。

 

誰も「個性的な顔」になろうと思って

生まれてきていない。

 

ただ「その顔」で生まれてきたのだ。

それだけで十分、個性的である。

 

 

しかし、現在は個性を「心」に求めている

つまり、個性的な心・考え方を持つ人間が良い、

とされる傾向がある。

 

そんな中、作者は最も個性的な考え方を

持っている人たちばかりが集まった場所。

ワンダーランドを知っているという。

それはどこか?

 

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答えは「精神病院」である。

 

 

④名曲『世界にひとつだけの花』に感動する人の勘違い

 

SMAPの名曲『世界にひとつだけの花』。

この曲に感動する人は多い。

アンチの人もいる。

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ある時

大学教授でもある作者は

カラオケで唄っていた学生に

こう言ったという。

 

「世界に2つある花があるなら持ってこい!

それだけで成績を「優」にしてやる!」

 

 

すべてのものは違うのだ。

我々の顔が違うように、

花だって全て違うのだ。

 

 

いや、同じ花があるじゃないか!

 

そうツッコんだ人は

「意識が強すぎる人間」ですw

 

同じにしたのは言葉です。

言葉をつくったのは人間の意識です。

まさしく脳化人間です。

 

頭を柔らかくして考えて欲しい。

 

あなた外に出た。

花が咲いているのが見える。

その横に「同じような」花が咲いている。

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これらは違うものだ。

当たり前だ。

そもそも場所が違うのだから。

視覚という「感覚」に頼ると当然だ。

 

その2つの花を

「チューリップ」と勝手に人間が名付けた。

そして「同じ」にした。

チューリップの許可も取らずに。

 

つまり、

「意識」に頼れば

違うものは同じになる。

 

「感覚」に頼れば

全てが違う。

 

 

『世界にひとつだけの花』は

至極、当然の事実を謳っているに過ぎない。

では

どうして、これほど名曲になるのだろうか?

 

答えはわかるだろう。

 

いかに私も含めた現代人が

「意識」中心で「脳化」しており

人間ですら「同じ」にして扱っているか!

ということだ!